春の訪れ～杏と紅梅の香る川越道緑地古民家園と『甚五郎』の春咲うどん～（東京都立川市）

二度の大雪に見舞われた2014年東京の冬。ようやく暖かい日が続くようになった３月の半ば、少し風の強い日でしたが、家から自転車で約15分のところにある『古民家園』を訪れてみることにしました。

立川市指定有形文化財『小林家住宅』は、嘉永五年(1852年)年、幕末に建てられた格式の高い豪農の住宅です。

庭園では、杏と紅梅が見事に咲き誇っていました。

杏の花
杏ジャムはよくいただくのですが、杏の木や花を見るのは初めて。梅にそっくりで、多分、『杏』と書かれていなかったら、梅だと思ったに違いありません。

紅梅
古民家を背景に、若竹の黄緑と濃いピンクの梅が、昔話の世界に連れて行ってくれます。

それでは玄関の扉を開けて古民家の中に入ります。

玄関を入るとすぐ台所です。カマドはもちろんのこと、昔の農機具が展示されていて、当時の生活の様子を伺うことができます。

「オカッテ」。食事の準備をしたり、家族の食事などに使われた部屋だそうです。普段は囲炉裏に火をつけているのだそうですが、この日は強風のため、消してしまったとのこと。
右奥の部屋は「ナンド」で、家財の収納などに使われていたそうです。
左奥の火鉢が置いてある部屋は「ザシキ」。日常の客の接客や、家族の居間として使われた部屋。 

「トバノオク」から撮影。
右の部屋は「ナカノマ」で、神棚がしつらえられ、仏壇と飾り棚も置かれています。
左奥の部屋は「オク」で、最上級のお客様を接待するために使われていたとのこと。付書院形式の書院で、この家の格式の高さが伺えます。欄間は漆塗りの菱格子欄間。品格のあるお仕事です。

この古民家小林家の母屋は、土間を除き六つの部屋で構成される六間型となっており、高い技術と優れた材木が使用され、武家住宅に匹敵する高い格式を持つとのことです。

昔の暮らしに思いを馳せながら、古民家園を後に、隣接する『川越道緑地』を散策することにします。

本当に何気ない雑木林で、見上げると鳥の巣箱。今は留守かなぁ。
犬を連れてお散歩する方に出会い、素敵な笑顔をいただきました。
春の穏やかな幸せに包まれます。

春の息吹。澄み切った青い空に向かって、まだまだ小さいけれど、新芽が力強く芽吹いています。

お腹もすいてきたので、古民家園から自転車で西に向かって約２、３分、大人気のお蕎麦屋さん『利静庵　甚五郎』に行きます。

ずっと以前から一度訪れてみたいと思っていたお店。土曜日にお友達と来てみたら大変な混みようで、平日なら写真撮影も存分にできるかと思い、今回また立ち寄ってみることにしました。
古民家風の店構えはとても風情があり、入口には何気なく徳利が置かれています。手作りの麺はこの窓の向こうで打たれています。

店内は、高い天井の重厚な太い梁のとても落ち着いた雰囲気で、さりげなく飾られた袈裟や器など、どれもとても趣があります。
待たずに入れた今回でしたが、次から次へとお客様が入ってきて、営業の邪魔になってはいけないと、撮影は断念しました。

ですが、「春の訪れ」の締めに相応しい、「春咲うどん」は、しっかりカメラに収めることができました。

春は華やか春咲うどん
たっぷりの桜エビと焼サワラの出しがほんのり香り、春の優しい味わいです。とても美味しくいただき、春を存分に堪能しました。

「川越道緑地古民家園」
所在地　立川市幸町4-65
電話番号　042-525-0860
業務時間　9時から16時30分
休日　月曜日（祝日・振替休業日の場合は、翌日）及び12月29日から1月3日まで

「利静庵　甚五郎」
TEL・予約　042-537-0956
住所　立川市幸町5-53-1
営業時間　11:00～17:00（日曜営業）
定休日　月曜日