みじログ

お気に入りの風景やおすすめスポットなどを綴ります。

故郷の風景 in 冬 水辺を辿る旅~五十嵐川、信濃川、野積海岸~(新潟県)

f:id:mijikun66:20140107093958j:plain『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』(川端康成「雪国」より)
故郷に向かう関越自動車道上越新幹線で、三国山脈の長いトンネルをくぐる時、いつもこの一節が浮かぶ。
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やっぱり雪。
私の育った地方では、11月になると、いつもどんよりとしたお天気となる。でも何故か、この雪景色を見るとほっとする。

昨年春に入院した母の様子をみるため、2014年1月2日、一人で新幹線に乗った。
「せっかく行くのだから一泊してきたら。」と、主人と息子。
お正月もバイトに励む息子や主人に感謝しながら、
故郷の大地に、ただいま!
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思っていたより母は順調に回復している様子。父は相変わらず元気そう。兄や妹、甥っ子姪っ子たちにも会えた。息子に会えないことをとても残念がる甥っ子たち。「春は一緒に来るからね。」
新潟の郷土料理、母の作る『のっぺ』をいただく。私も早くこんな風に作れるようになりたいな。いまだにうまく作れない。

父を散歩に誘ってみたが断られた。飲みすぎてしまった父は、腰が重いようだ。
「たまには歩かないと。」と、私。
「いつも歩いている。」と、父。
これは失礼。山男の父は私の何倍も歩いてきたのだった。
カメラを持って出かけようとすると、
「かっこいいな。痩せたか?」と、父。
「どう見える?」
「変わらない。」
一応、都会で暮らしてますから。f:id:mijikun66:20140102143433j:plain
実家から徒歩5,6分で、信濃川の支流、五十嵐川に架かる「たじま橋」に着いた。幼い頃はとても遠くに感じたこの道のりも、今はこんなに近い。

散歩から戻って、酔いの覚めた父と一緒に、この五十嵐川の上流にある温泉に行くことになった。一人で行くつもりだったが、凍結しているかもしれない山道を、一人で行かせるのが心配だったからかもしれない。
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ほとんど信号のない『やまなみロード』を走る。守門岳が見えるところで車を止め、撮影。山の写真を撮るのが好きだった父は、私の気持ちをよくわかってくれる。

すれ違う車もほとんどなく到着した。
f:id:mijikun66:20140107160859j:plainいい湯らてい
f:id:mijikun66:20140107161452j:plain八木ヶ鼻
いい湯らてい』の露天風呂から、このそそり立つ「八木ヶ鼻」と、川のせせらぎがよく見える。

次の日の朝、とても早く目が覚めた。とても寒くて冷たくて、よく眠れなかったとも言える。
父と私、そして母も一緒に、海までドライブに行くことにした。海沿いにある弥彦山の麓、弥彦神社に立ち寄ろうとも思ったが、母の体調を考慮し、また今度。
f:id:mijikun66:20140103083726j:plain信濃川
日本一の長さを誇るこの川は、昔々、よく大洪水をおこし、肥沃な大地を形成していった。後に、日本海へと流れる大河津分水を人の手で作り、川が氾濫することはほとんどなくなった。
f:id:mijikun66:20140107212805j:plain海へと続く道。どこまでも続く田んぼ。
f:id:mijikun66:20140103084729j:plain越後三山が見えてきた。左から国上山、弥彦山、角田山。そのすぐ向こうが海。
f:id:mijikun66:20140103090104j:plainもうすぐ海。車を止めて深呼吸。
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大河津分水が海にそそぐ。
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野積海岸
海に着いた。
うっすらと佐渡島が見える。
夏にはよく家族で遊んだこの海は今、波と風がゴーゴーと唸りをあげている。のみ込まれそうになって、あわてて水際から離れた。

美しくて穏やかな大自然も、時に厳しくて怖い。

 「強くないと優しくはなれない。」
この雄大な自然に抱かれながら、強くなって優しい自分で在りたいと思った2014年、故郷の冬。

 

いい湯らてい
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